

1. Cry Me A River
2. It's Only A Paper Moon
3. The Man I Love
4. Love Letters
5. Lover, Come Back To Me
6. Bourbon Street Blues
7. Harbous Lights
8. When The Band Begin To Play
9. What A Differance A Day Made
10. Green Eyes
11. Gray Shade Of Love
12. Sentimental Jorney
13. Honmoku Blues~本牧ブルース~
出入りの業者のお兄さんからいきなり「ハスキーな声が色っぽいねぇ〜」と
言われた。「あら、そりゃどうも」と答えた。
子供の頃から老け声で、この頃やっと声に年齢が追いついてきたか。
でもね、本当のハスキーな声ってこんなもんじゃないんだよね。。。
元祖ハスキーヴォイスといえば青江三奈。
並み入る演歌歌手の中でもどこか異質な感のある彼女の歌唱と
その凄みのある声には昔から惹かれるものがあったが、
曲的には「ベイブリッジ・ブルース」位しか好きな曲がなかった。(汗)
歌謡曲よりも、ブルースよりも、彼女の歌うJazzを聴いてみたかった。
あった。(爆)
このアルバムは1993年にNYで録音されたものの、即廃盤になり
オークション等では高値で取り引きされていたらしいが14年後に復刻。
おかげで貧乏平民のJでも手に入れることができたわけである。(^-^)
元々クラブでジャズを歌っていた三奈だが、ムード歌謡の時流に乗り
ご当地ソングをはじめ、何人もの作家による作品を三奈風に歌い上げてきた。
彼女はどんな曲でも、どんな仕事でも不満ひとつ言わず受けていたという。
CDラベルには、真っ赤な胸の開いたドレスの三奈は映っていない。
眼鏡をかけ化粧気のない三奈がスタジオで腕を組み譜面の前に座っている。
これがステージを離れた彼女の本当の姿なのだろう。
1.のエディー・ヘンダーソンの悲痛なトランペット聴いた途端、背筋に戦慄が走った。
ビリー・ホリディの「奇妙な果実」を初めて聴いた時のように。
そのビリーの晩年の伴奏者、「レフト・アローン」の作曲者の
マル・ウォルドロンがピアノ、グローバー・ワシントン・Jrがソプラノサックス。
でも主役はあくまでも三奈。
怨念ソング(笑)を豪華な伴奏者を従え心の底から歌い上げている。
2.では打って変わって軽快な曲を楽しそうに歌っている。
この曲のピアノ伴奏とデュエットのお相手はフレディ・コール。
ナット・キング・コールの弟だ。
甘い男声と渋い(爆)女声の絶妙な掛け合い。
他にも
4.7.10とデュエット曲となっている。
彼も三奈を気に入ったようで、翌年には自身のソロ・アルバムで、
今度は三奈がゲストで2曲参加している。
3,4,5,9,12と、これまで数え切れない程多くのシンガーが取り上げてきた
スタンダード中のスタンダードを決して力むことなく自然に歌う。
録音には5日間かけたようだが、その1曲1曲は短期間で覚えたものではなく
デビュー前も、スターになってからも口ずさんでいたように感じる。
そしてどんな曲を歌ってもやはり「青江三奈」1色なのだ。
ゴージャスで刹那的でセクシーで・・・
特に
5.の「恋人よ我に帰れ」は圧巻!
その5から6への展開がJ的山場。
どこかレゲエ風味の斬新なアレンジ。
6.は「伊勢崎町ブルース」の英語バージョンだ。
そのタイトルは「バーボン・ストリート・ブルース」。なんて粋なんだ!
例のため息吐息(笑)はパーカッシヴな効果で、もちろん「ドゥビドゥバ〜」も
ちゃんと入っている。ほんとかっこいい!
8.11はおそらくこのアルバムの為に書かれた曲だろうと思われる。
8.ではサックスとトランペットが華やかに三奈の声を彩る。
彼女のボーカルにはなにはなくともサックスなのだ。(苦笑)
そして
11.・・・アルバムタイトルはここから取ったものなのかな?
これがアップテンポでキーボードが大活躍で滅茶苦茶お洒落なのだ。
今度は彼女のソウルやボサノバも聴いてみたい。。。
そんな期待感を抱かせる秀曲。
この曲がこのアルバムの中でしか聴けないのが残念でたまらない。
ラストの
13.はマル・ウォルドロンが英詞をつけアレンジしている。
ライナーには「ゴールデンカップスの1969年のヒット曲」と書いてあるが
これは間違い。同名異曲だ。まぁ、作詞がどっちもなかにし礼なので
解説を書いた人も間違えたのだろうが・・・(苦笑)
アルバムの最初とラストを暗いブルージィな曲を持ってくるといった
一般的には真逆の曲構成。
まるでひとつのショウを見たような・・・このアルバムと出会えて良かった。
でも一番喜んでいたのは三奈自身ではなかっただろうか。
このアルバム製作より5年後、1998年の11月、ホテルのディナー・ショウで
青江三奈を見た。
彼女はTVで見るよりずっと痩せていた。
でもゴージャスでパワフルな歌声はTVで見るより伝わってきた。
驚くほど力強い握手、その時間近に見た三奈の目が忘れられない。
そして2000年7月に彼女は逝ってしまった。
唯一無比のシンガー・・・この先も彼女のような歌手は出てこないだろう。
今頃、やはり他界したマル・ウォルドロンやグローバー・ワシントン・Jrと
楽しげにスイングしているのではないだろうか。